◆民話 首なし地蔵

昔、悪者がこの峠で旅人を殺害した。悪者はこのことを道ばたのお地蔵様に向かい、
誰にも言うなという。お地蔵様は「ワシは言わぬがわれ言うな」という。悪者は驚い
てお地蔵様の首を叩き落として行方をくらました。

その後何年かして二人の旅人がここを通りかかる。谷川の水で喉をうるおし、お地蔵
様を拝すると首がないのに一人は驚くが、もう一人の男はあの悪者であった。
「ワシは言わぬがわれ言うな」のお地蔵さまの言葉を忘れて、その首のないわけにつ
いて、何年前かの自分の仕業を自慢げに白状した。話を聞いた男は、前にここで殺さ
れた旅人の血縁であったので、仇打ちが行われた。


◆冷水峠の由来

首無し地蔵堂の前。雑木林と杉木立の中を流れる清流に古い石橋が架けられています。
橋は2枚の花崗岩の板石を両端の石垣のみで支持する板石橋の形式を採ります。
下流側の板石側面に文政六年(1823)の銘が刻まれています。

当時、多くの旅人がこの場所で足を休めたと言われ、冷水峠の名の由来はこの川の
清流に由来すると言われています。